・公務員試験でプレゼンテーション面接があるけど何から始めればいいかわからない。
・ネタの作り方、資料作成、プレゼン練習における対策のポイントを知りたい。
こんな悩みを解決できる記事になっています。
私の夫は民間企業から地方公務員へ転職、入庁した市役所の試験でプレゼンテーション面接を経験して一発合格しています。
夫の経験をもとにプレゼンテーション面接の対策方法について紹介していきます。
プレゼンテーション面接とは
公務員試験におけるプレゼンテーション面接とは、与えられたテーマに対して事前に資料を作成して本番でプレゼンするもの。
プレゼンに引き続き質疑応答が行われる計20~30分の面接試験です。
プレゼンのルールは自治体により変わる
プレゼンのルールは自治体により変わります。
・プレゼンの制限時間は何分なのか。
・紙かスライドどちらでプレゼンするのか。
・ホワイトボードも使うのか。
など、実施する自治体により様々。
人柄、性格、能力、公務員としての資質などを審査される
プレゼンテーション面接で審査されるのは、人柄、性格、能力、公務員としての資質など。
受験案内には上記のとおり記載されています。
具体的には、プレゼン資料やプレゼンの仕方、質疑応答の対応から以下を審査されると考えられます。
・人柄
社会人マナーが身についているか
・性格
組織や住民とうまくコミュニケーションができそうか
・能力
論理的思考、情報整理、表現力を備えているか
・公務員としての資質
様々な仕事をこなす柔軟性があるか、地味な仕事にも辛抱強く取り組めるか
基本的には自己PRですが、上記を意識してわかりやすく伝えることが重要です。
試験全体に占める配点が高い
プレゼンテーション面接試験が行われる場合、採用試験全体に占める配点は高いです。
例えば令和3年度にプレゼンテーション面接を行っている自治体の各試験の配点は以下のとおり。
(職務経験者枠・行政職)
※各自治体の受験案内をもとに作成
全体に対し約5割以上を占めており、ここで合否が決まるとも言えます。
ただ、プレゼン面接は二次試験や三次試験で行われることが多く、そこまでたどり着くことが前提にはなりますが。
プレゼンのテーマは直前までわからないことが多い
プレゼンのテーマは受験案内には載っておらず、直前までわからない場合が多いです。
よくあるのが直前の試験の合格通知と合わせてテーマ発表というパターン。
(プレゼン面接が二次試験なら、一次試験の合格通知と同時にテーマを発表)
プレゼンテーション面接の準備に何をすべきか
試験対策の一例として、実際にプレゼン面接に合格した夫が取り組んだことを紹介します。
やるべきことはネタ作り・資料作成・プレゼン練習の3つ
プレゼンテーション面接に向けて、ネタ作り→資料作成→プレゼン練習の3つに取り組みましょう。
①どんなプレゼン内容とするかネタを考える。
②ネタを可能な限りわかりやすく資料に落とし込む。
③時間内にわかりやすく伝えられるようプレゼン練習をする。
この3ステップで文で書くと単純に見えますが、これがなかなか難しいんですよね。
どれだけ入念に準備できたかで勝負が決まる
プレゼンテーション面接はどれだけ入念に準備できたかで勝負が決まります。
なぜなら準備不足で臨める類の試験ではなく、時間を掛けるほど自分をアピールできる試験だからです。
時間を掛けないと、例えば以下のことが起こり得ます。
・ネタ作りが甘い → 内容が乏しい
・資料作成に時間を掛けない → 見づらい、伝わりづらい
・プレゼン練習をしない → 時間制御ができない、早口で一方的に話す
可能な限り準備に時間を掛けて万全の体制で臨みましょう。
プレゼン対策でおすすめの本3選
○1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
論理的な伝え方、聞いてもらいやすい話し方などを紹介しています。スライドの作り方にも触れていてプレゼンのコツを網羅しており一番おすすめです。
○孫正義奇跡のプレゼン 人を動かす23の法則
誰が聞いても内容が理解できる分かりやすいプレゼンとするために、孫正義さんが使っているスキルを紹介しています。
ビジネスで役立つプレゼンスキルですが、メッセージを裏付ける数字を入れるなど、プレゼン面接にも参考になるスキルも載っています。
○プレゼンテーションのノウハウ・ドゥハウ
プレゼンテーションを上達させるためのポイント、言葉のヒゲ退治のトレーニング方法などを紹介しています。
ネタの作り方
ネタ作りはプレゼンの質を左右するので最も重要です。じっくりと時間を掛けて取り組みましょう。
テーマを読み込み何をPRするか考える
まずはテーマを何度も読み込んだうえで何をPRすべきか考えましょう。
誤った解釈をして的外れなプレゼンとしないようにするためです。
例えば「社会人経験とそれを公務にどう活かすか」というテーマであれば、下記のPRをしようと考えます。
社会人経験
→仕事への取り組み方、身につけた能力を説明する
公務にどう活かすか
→上記経験の公務への具体的な活かし方を説明する
プレゼンの構想を練る
何をPRするか決めたら、どんなストーリーのプレゼンにするか構想を練りましょう。
テーマを見ていきなり資料作りに進むと、何度も修正してかえって時間がかかります。資料作りは構想を決めてからにしましょう。
PRするときに効果的な伝え方が「主張(結論)→理由→具体例」で示すこと。
先ほどのテーマ「社会人経験とそれを公務にどう活かすか」で考えると、下記ような大枠の構想ができあがります。
①仕事への取り組み方
主張→理由→具体例
②身につけた能力
主張→理由→具体例
③公務への具体的な活かし方
主張→理由→具体例
自分の体験に関連づける
つづいて自分の体験を関連づけます。
今回の例では「①仕事への取り組み方」と「②身につけた能力」が対象。自分の体験を詳細に示すことでより説得力が増します。
とにかく思いつくことを洗い出して整理しましょう。
そして例えば「②身につけた能力」を以下のようにまとめます。
・主張
コミュニケーション能力。
・理由
人脈を作って仕事を加速できたから。
・具体例
自分と直接関係ない仕事の相談にも真摯に対応して人脈を作った。
その後、別プロジェクトで依頼をすると優先的に対応してもらえた。結果、通常1か月かかる仕事を2週間に短縮できた。
ポイントは自分の実績を数字で定量的に示すこと。そうすると自己PRでの説得力が増します。
インターネットで情報を仕入れる
受ける自治体の公務内容など、わからないことはインターネットで情報を仕入れましょう。
自治体の取り組みを把握しておけば、自己PRと関連させてプレゼンすることができます。
例えば「②身につけた能力」を「③公務への具体的な活かし方」に関連させると以下のとおり。
・主張
コミュニケーション能力を普及啓発に活かすことができる。
・理由
コミュニケーションを取りながら伝えた方が市民の印象に残るから。
・具体例
△△イベントで、例えばクイズやゲームを交えて市の取り組みをPRする。
市民とコミュニケーションを取ることで展示物だけでPRするよりも普及啓発効果を向上できると考えている。
資料の作り方
ネタができたら資料に落とし込みましょう。
とにかく見やすくわかりやすい資料にすることが大切です。
文字は最小限にする
文字は最小限にしましょう。
資料にはたくさん情報を詰め込みたいところですが、文字が多いと見づらくなります。
下記を意識してとにかく文字は減らしましょう。
・要点だけ書く。
・体言止めにする。
・同じ意味なら短い言葉にする。
表や図を使う
表や図を使って見やすくしましょう。
文字だけだと堅苦しいので、表や図で視覚的にも表現すると見る側も理解しやすくなります。
例えば身につけた能力をPRするとき、文字だけの場合は下記のとおり。
・私が身につけた能力は○○です。
・理由は△△です。
・具体的には□□を実現しました。
これを表にすると下記のようになります。
身につけた能力 | ○○ |
---|---|
理由 | △△ |
具体例 | □□を実現 |
表にすることで見やすくなり文字数も減らせます。
例えば能力を3つ紹介するときなど、複数のことを列挙するときにおすすめです。
統一感を出す
文字や文の書き方など統一感を出しましょう。
その方が見た目も美しく、見る側も頭に入ってきやすくなります。
具体的には下記を意識して資料を作成すると統一感が出ます。
文字
・書体は同じにする。
・大きさは例えば「見出し:24point」、「説明:18point」、「主張:20point太字」など自分でルールを決めて統一する。
・カラーを使うなら「ポジティブは青」、「ネガティブは赤」など自分でルールを決めて統一する。
文の書き方
・「体言止め」か「〜する」のどちらかに統一する。
・「句点を使う」か「句点を使わない」のどちらかに統一する。
・「ですます調」か「である調」のどちらかに統一する。
・同じ意味の言葉は同じ単語で統一する。
(例えば能力なら能力、スキルならスキルで統一する。)
配置
・見出し、説明など、それぞれの書き出しの位置を揃える。
・表では左揃え、中央揃えなどを使い分ける。
プレゼン練習のポイント
資料まで完成したらあとはプレゼン練習です。
プレゼンでどれだけ自分をアピールできるかが勝負なので、何回も繰り返し練習しましょう。
時間は厳守する
プレゼン時間を指示されている場合は、時間は厳守しましょう。
なぜなら指示がある以上は守れなければ減点対象になるからです。
どんなに良い内容のプレゼンであっても時間をオーバーすれば印象は悪くなります。(逆に早すぎるのもNG)
なお、練習は本番と同じ声量で行うことをおすすめします。小声で行うと話すスピード感が変わってしまうことがありますので。
話す内容は暗記する
プレゼンで話す内容は暗記しましょう。
なぜなら暗記した方が時間の制御がしやすいから。
話す内容が多少でも変わると話す時間も前後します。アドリブで一文加えるものならそれだけで10秒以上余分にかかり、逆に話がわかりづらくなることも起こり得ます。
暗記の仕方について、練習するうちに話す内容はかたまってくるので、台本を作るまではしなくて良いかと思います。台本を作って暗記する方が楽であればそちらでもOKです。
聞き手がいることを意識する
聞き手がいることを意識して話せるようにしましょう。
試験であること、時間厳守であることが頭にあると、どうしても話すことだけに集中しがちです。
でもプレゼンは相手がいて初めて成り立つもの。聞き手にわかりやすく伝わらなければ意味がありません。
聞き手を見る、多少の動きをつける、間合いを取るなど、数人の面接官がいる本番をイメージして練習するようにしましょう。
言葉のひげをなくす
言葉のひげをなくすとスムーズなプレゼンができます。
言葉のひげとは「えー」とか「あのー」など話すときに無意識に発してしまう言葉のこと。
これを改善するだけでテンポよくなるだけでなく、時間短縮にもつながるのでぜひ取り組みましょう。
質問対策も入念に
プレゼンテーション面接では、プレゼンが終わると質疑応答が続きます。
質問対策も入念にしましょう。
プレゼンした内容は何を聞かれても答えられるようにする
プレゼン後の質疑応答では、当然ながらプレゼンした内容に対していろいろと聞かれます。
仕事への取り組みで意識していること、スキルを身につけるために苦労したことなど、あらゆる角度からの質問を想定して回答を準備しましょう。
ちなみに夫は
「上司と意見が合わなかったときはどうするか。」
「短所はあるか。」
という質問をされています。
通常面接の質問も想定する
プレゼンに関する質問とは別に、通常の面接で聞かれる質問の対策もしましょう。
志望動機や履歴書に書いた内容なども聞かれる可能性があります。
夫が受けた試験では
「市役所の雰囲気はどう感じたか。ここで仕事をやっていけると思うか。」
という質問もありました。
まとめ
公務員試験のプレゼンテーション面接対策について以下にまとめます。
・やるべきことは「ネタ作り」、「資料作成」、「プレゼン練習」の3つ。どれだけ入念に準備できたかで勝負が決まる。
・ネタ作りは最も重要。PRすることを決めて構想を練る。
・資料はとにかく見やすくわかりやすく。
・時間を厳守するため何回もプレゼン練習をする。
・質問対策も入念にする。
プレゼンテーション面接があると聞くと正直気が重いかもしれません。でもここで高得点を取れば合格が見えます。
アピールできるチャンスと捉えしっかりと対策しましょう。