公務員の給料 PR

地方公務員の給料表の見方【知っておくべきポイントを紹介】

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・地方公務員の給料表の見方がわからない。

・給料表から何がわかるのか知りたい。

こんな疑問を解決できる記事になっています。

地方公務員を目指すうえで給料表について知っておくと何かと便利です。なぜなら昇給後の給料や年収の予測ができるから。

私の夫は地方公務員なので、私も給料表と実際の給料との関係を理解しました。その経験をもとに公務員を目指す方に役立つ情報を紹介していきます。

給料表とは

給料表とは地方公務員の給料の一覧表のこと。役職や経験年数により変わる月額基本給の金額が一覧で示されています。

ちなみに国家公務員の場合は俸給表になりますが、呼び方が違うだけで仕組みは同じです。

給料表の特徴は以下のとおり。

・自治体により給料表は違う。
・同じ自治体でも職種(行政職、技術職、医療職など)により給料表は違う。
・自治体は給与条例で給料表を公開している。

給料表は自治体、職種により様々で、給料表が変われば同じ級・号給でも給料の金額は変わります。

大都市、特別な技能が必要な職種ほど金額が高い傾向にあります。

なお、公務員の給料は民間企業を参考にしているので、給料表はしばしば改正もされます。

給料表の見方

給料表は横軸が級、縦軸が号給で構成されています。

下記が給料表の例です。

出典:総務省ウェブサイト「給与・定員等の制度概要/給料表の仕組み」より抜粋

級:職務の複雑、困難及び責任の度に応じて区分するもの。

号給:同一級をさらに細分化するもの。職務経験年数による職務の習熟を給与に反映させる。

給料表で右に行く(級が高い)ほど、役職が上になります。例えば1〜2級は担当、3~5級は係長、6~7級は課長といったイメージです(級に対する役職は自治体や職種ごとに異なります)。

また、同じ級で下に行くほど(号給が高い)ほど職務能力が高いとみなされます。実際に仕事できるできないは別として・・・

よって給料表で右下に行くほど給料が高くなるようになっています。

公務員は自分が何級の何号給かわかるので、給料表で該当する金額が給料となります。

採用時は給料表のどのあたり?

採用時の級・号給は、学歴や職歴(中途採用の場合)に応じて自治体独自の算出方法により決めるため一概にはいえません。

大ざっぱにいうと行政職で大学新卒や30代中途採用であれば1~2級の20~60号給くらい、給料表では左側上寄りです。

級・号給の算出方法は給与条例で公開している自治体もあり、例えば京都市は以下からわかります。※令和3年4月1日施行時点での情報
京都市職員給与条例施行細則 別表第4(第4条関係) 初任給基準表
京都市職員給与条例施行細則 別表第3(第3条関係) 経験年数換算表

ちなみに採用時の給料は新卒で10万円代後半、30代中途でも20万円代前半が相場で多いとはいえません。

私の夫も民間経験後に30代で地方公務員に転職しましたが、転職後の初任給は20万円代前半で前職から大幅に下がっています。




昇給・昇給により給料表でどう動く?

公務員は昇給・昇格により年に一度給料が上がります。給料表ではどんな動きをするのか説明していきます。

昇給は通常4号給上昇する

昇給とは同じ級で号給が上がることで通常は4号給の昇給になります。

給料の増加額は(自治体が定める)給料表や級に依存するので一概にいえませんが、ざっくり1号給あたり1,500~2,000円、4号給で6,000~8,000円ほどです。

〜昇給のイメージ〜

人事査定で良い評価を受けると5~6号給上がったり、逆に評価が悪いと3号給しか上がらないこともあります。(公務員の場合、無断欠勤続けるなどしなければ普通の査定はもらえます。)

昇格は1級上昇する

昇格とは級が上昇すること。1回の昇格では1級の上昇で飛び級はありません。

昇格による給料の増加額も、(自治体が定める)給料表や級に依存するので一概にいえませんが、通常の昇給よりは増額幅が大きいです。

〜昇格のイメージ〜

昇格後の号給は昇格前のものをそのまま引き継ぐのではなく、自治体が定める基準により決まります。(上記イメージ図では2級10号給→3級1号給としましたが、自治体によっては必ずしもこうなるとは限りません)

例えば京都市の行政職で3級40号給から昇格するときは4級20号給になります。その場合の給料の動きは下記のとおりです。

3級40号給:286,200円

4級20号給:301,400円
〜15,200円の給料増加〜

出典:下記の京都市職員給与条例の情報をもとに筆者が計算。
京都市職員給与条例施行細則 別表第6(第9条関係) 昇格時号給対応表
京都市職員給与条例 別表第1の1(第3条関係) 行政職給料表

昇給は簡単だが昇格は条件が厳しい

昇給は何もしなくても毎年自動でされていきますが、昇格は条件が厳しいです。級の数は10級程度(自治体、職種による)と少なく、簡単には昇格できない仕組みになっています。

昇格条件は、例えばその自治体で5年勤務して昇格試験を受けて合格するとか、同じ級で10年勤務かつ40歳以上といったもの。

なので課長クラスまで上がればいい方で、係長クラスで定年退職していく職員も普通にいます。

例えば京都市の級と役職の関係は以下のとおり。

職務の級基準となる職務
1級相当の知識,技術,経験等を要する職務
2級やや高度の知識,技術,経験等を要する職務
3級主任の職務
4級係長又はこれと同じ職制上の段階に属するものとして任命権者が定める職の職務
5級課長補佐又はこれと同じ職制上の段階に属するものとして任命権者が定める職の職務
6級課長又はこれと同じ職制上の段階に属するものとして任命権者が定める職の職務
7級部長又はこれと同じ職制上の段階に属するものとして任命権者が定める職の職務
8級局長又はこれと同じ職制上の段階に属するものとして任命権者が定める職の職務

出典:京都市職員給与条例 別表第2(第3条関係) 級別基準職務表

課長クラスだと6級なのでここまでいければいい方ということです。

このあたりは公務員に限らず民間企業でも同じ感じかと思います。

でも昇格は難しとはいえ、毎年確実に一定の昇給が保証される点は公務員は恵まれているといえます。

仕事のパフォーマンスに関係なく年功序列なので、勤務年数が長いほど有利で少しずつ給料が上がっていきます。




給料表からわかること

給料表の情報をもとにわかることを紹介します。

昇給・昇格後の給料

昇給を通常の4号給とすれば昇給後の給料がわかります。

例えば京都市の行政職で今が2級30号給とすると、1年後以降の給料は以下のとおり。

年数級・号給給料
2級30号給234,700円
1年後2級34号給241,800円
2年後2級38号給247,900円
3年後2級42号給253,900円

出典:京都市職員給与条例 別表第1の1(第3条関係) 行政職給料表

昇格の場合も先ほど紹介したとおり給料表と昇格時号給対応表の情報からわかります。

給与(月給)

給料がわかれば給与もわかります。

公務員の給与の計算式は下記のとおり。(残業手当や通勤手当を除く)

給料+扶養手当+地域手当 = 給与
※扶養手当や地域手当も自治体ごとに決められています。

例えば、「京都市、行政職2級30号給、配偶者と子2人扶養」の場合の給与は下記のとおり。

234,700円(給料) + 26,500円(扶養手当) + 26,120円(地域手当) 
=287,320円(給与)

出典:下記の京都市職員給与条例の情報をもとに筆者が計算。

・扶養手当:配偶者6,500円、子1人につき10,000円
京都市職員給与条例 第7条(扶養手当)
・地域手当:(給料+扶養手当)の10%
京都市職員給与条例 第10条(地域手当)

このように給料表と給与条例の情報から計算ができるんです。

ボーナス

公務員のボーナス(期末手当+勤勉手当)は給与に対して支給月数を掛けたものなので、こちらも計算できます。

支給月数は自治体や年度により変わりますが、ざっくり4か月弱です。毎年度各自治体のウェブサイトで公表されており、例えば京都市の令和3年度の支給月数は4.30か月です。

先ほどの条件の「京都市、行政職2級30号給、配偶者と子2人扶養」の場合のボーナス金額は下記のとおりです。

287,320円(給与) × 4.30か月(支給月数)
=1,235,476円(年間ボーナス金額)

年収

給与とボーナスがわかれば年収もわかります。

「京都市、行政職2級30号給、配偶者と子2人扶養」の場合の年収は下記のとおりです。

287,320円(給与)×12か月 + 1,235,476円(ボーナス年間)
=4,683,316(年収)

昇給後の給与・ボーナス・年収

昇給後の給料がわかるので、昇給後の給与・ボーナス・年収も計算できます。

〜「京都市、行政職2級30号給、配偶者と子2人扶養」の場合の給料・給与・ボーナス・年収の変化予測〜

年数号・級給料給与ボーナス年収
2級30号給234,700円287,320円1,235,476円4,683,316円
1年後2級34号給241,800円295,130円1,269,059円4,810,619円
2年後2級38号給247,900円301,840円1,297,912円4,919,992円
3年後2級42号給253,900円308,440円1,326,292円5,027,572円

向こう数年分の年収を知ってモチベーションが上がるかは微妙なところですが、家計の計画の参考にもなります。

翌年の年収が予測できるのは給料表が公開されている公務員ならではと思います。

まとめ

地方公務員の給料表の見方、知っておくべきポイントについて紹介しました。以下にまとめます。

まとめ

・給料表は地方公務員の給料の一覧表。

・自治体、職種により給料表は変わる。

・級が高いほど役職が上で、号給が高いほど職務能力が高いとみなされる。

・採用時は大学新卒や30代中途採用であれば1~2級の20~60号給くらいで給料表の左上寄り。

・給料表と給与条例の情報から給与、ボーナス、年収がわかる。翌年以降も予測できる。

給料表はぱっと見「これ何?」って感じですが、仕組みを知っておくと便利です。

地方公務員を目指す方の参考になれば幸いです。