公務員は試験に受かって初めてなれるもの。転職サイトに登録したところで民間のようにオファーも来ないし意味ないんじゃない?
公務員を目指すのにあたり、このように考える方も多いのではないでしょうか。実際のところ転職サイトを使わなくても公務員になれるのでこの考え方は間違いではありません。
でも転職サイトからは公務員転職にも役立つ情報も手に入るので、余裕があれば使うことをおすすめします。
民間から公務員に転職した私の夫も複数の転職サイトに登録していました。元々は並行して進めていた民間転職のためでしたが、得られた情報は結果的に公務員転職にも役立っています。
公務員を目指すのに転職サイトを使うべきか
公務員転職においては必須ではない
公務員転職を目指す場合、転職サイトは必須ではありません。
なぜなら転職に必要な情報は国や自治体のウェブサイトを見れば十分だから。職員採用情報から試験案内を確認して、試験に申し込んで合格すれば公務員になれます。
例えば「大阪で公務員になりたい!」という目標があれば
・大阪府庁、大阪市役所、泉佐野市役所など具体的な自治体を選ぶ。
↓
・自治体ウェブサイトから採用情報を探す。
↓
・年齢や社会人年数など、自分が要件を満たした募集があるか確認する。
↓
・勤務地や給与条件などもチェックして自治体を絞り込む。
↓
・採用試験に申し込む。
という流れであとは合格に向けて試験勉強をするのみ。一般受験で高校や大学を選ぶのと同じ感覚で自分で探して何とかなります。
民間転職の場合は転職サイトに登録することでオファーがもらえたり、エージェントから紹介を受けたりするので登録は必須ですよね。
一方で公務員転職の場合はそういったことはないので転職サイトに登録しなくても何ら問題ありません。
公務員転職にも役立つので使うことをおすすめ
とはいっても転職サイトからは公務員転職にも役立つ情報が得られるので、使うことをおすすめします。
例えば公務員の募集情報。自治体は広報にお金を掛けられないので掲載数は少ないものの一応はヒットします。
視野になかった自治体の募集を見ることで新たに興味を持ったり、給与など待遇を比較する参考にもなります。
転職活動において情報が多いのに越したことはありません。役立つ情報を少しでも手に入れるため余裕があれば登録する、というスタンスで良いかと思います。
転職サイトを使って良かった点
実際に公務員に転職した夫が転職サイトを使って良かったところを紹介します。
職務経歴書の作成が公務員試験(面接、小論文)に役立った
たいていの転職サイトでは利用者登録をすると職務経歴書のアップロードも求められます。あくまで民間転職に必要なものですので、公務員一本で目指すなら作成する必要はありません。
でも、職務経歴書を作成することで実績や能力など自己PR内容を整理できて、結果的に公務員試験(面接、小論文)にも役立ちます。
なぜなら公務員試験での面接や小論文では「社会人経験でどのようにして成果を上げたか・能力を身に着けたか、それをどう公務員に活かすか」を問われることが多いからです。
夫も前もって職務経歴書を作っていたおかげで、論文や面接対策の時間を短縮できてその分他の試験対策に回せて良かったと言っておりました。
職務経歴書を作成することで民間へ興味が再燃するかもしれませんが、それはそれで一つ選択肢が増えたと前向きに捉えましょう。
適正診断ができて履歴書や面接試験のネタになった
転職サイトには登録すると適正診断ができるサイトがあり、自分の個性タイプを客観的に判断してもらえます。
診断結果には個性のほか長所や短所が詳細に書かれているので、履歴書や面接でネタに困ったときに役立ちます。
例えば私が診断した結果の一部を抜粋すると下記のとおり。
・完璧主義。完璧な正確さで、粘り強く、徹底的に突き詰め、自分流を極める人。
・一つのことに集中し、細部を念入りに吟味し、時間をかけてじっくり取り組む。
・筋道を立てて物事を進めるのが得意だが、周囲で起こる物事への関心は強い方ではない。
・孤独を好み、従って人に頼ろうという意識は薄く、自分の行動は自分自身で決めるタイプ。
・自分の能力を超えていると思っても、一生懸命挑戦しようとするタイプ。
この結果を面接ネタにすると
質問「あなたの長所を市役所の仕事でどう活かしますか?」
回答「私の長所は粘り強さです。今の職場でも成果が見えない事務仕事でも淡々とこなして、職場の仲間が仕事をしやすい環境作りができるよう心がけています。公務員でも地味な仕事もあるかと思いますが、持ち前の粘り強さを活かして市民へ貢献できればと考えています。」
といった感じで使えます。
公務員/民間転職の並行した転職活動を効率良く進めることができた
公務員/民間転職を並行して転職活動をしたい場合、転職サイトに登録することで効率良く進めることができます。
なぜなら民間転職の活動分は転職サイトからのオファーを利用したり転職エージェントの力を借りられるからです。
公務員転職に向けては自分で試験勉強を進めつつ、民間転職に向けては転職サイトに頼りに進めることができます。
業界最大級の求人サイト「転職ならDODA(デューダ)」新規会員募集
転職サイトによっては転職エージェントと面談をすることで転職案件の紹介やアドバイス、セミナー情報などがもらえます。
孤独な戦いとなる転職活動においてエージェントが力を貸してくれるのは心強いもの。無料で対応してもらえるのでやってみる価値は十分にあります。
ただ、エージェント側の観点では民間転職を成立させることが報酬につながる背景もあり、公務員転職に関する情報提供にはあまり期待しない方がいいです。
公務員試験は倍率が高い(自治体によっては20倍以上)ので、落ちた時のことも考えておく必要があります。公務員1本でなく民間も視野に入れて転職活動をするのであれば、並行して進める方が公務員試験に落ちたとしてもスムーズに転職が決まるかと思います。
また、並行して進めたうえで公務員試験に受かった場合も、民間転職活動にも全力で取り組んだことで、悔いなく公務員の道へ進む判断ができるかと思います。
転職サイトを使ってデメリットと感じた点
転職サイトのデメリットについても紹介します。夫の場合は特にデメリットは感じなかったようですが、敢えて挙げるとしたら次の2つです。
公務員の募集情報の多くは専門職で行政職があまりない
元々転職サイトに掲載数の少ない公務員の求人情報ですが、掲載情報のほとんどが医療関係や土木など専門職の求人です。
市民窓口やイベント企画など、これぞ公務員というイメージの仕事をしたい場合は行政職ですが、あまり載っていません。
なので行政職の求人を探したい場合は期待外れと感じるかもしれません。結局は興味ある地域の自治体ウェブサイトを片っ端から検索した方が早かったりします。
民間の求人通知メールが大量に来る
転職サイトに登録するうえでは、民間の求人通知メールが大量に来ることは避けられません。
転職活動専用のアドレスを作っても大量のメールで埋もれてしまうので、重要なメールも見落としてしまうリスクがあります。
転職先の方向性を決めたとき、転職エージェントとの調整が進んだときなど、求人通知が不要となったらブロック設定をする。自分に合わない転職サイトだったら退会してしまう。という対策が必要になります。
まとめ
公務員を目指すのに転職サイトを使うべきかについて紹介しました。以下にまとめます。
・公務員転職においては転職サイトは必須ではない。
・でも公務員転職にも役立つので使うことをおすすめする。
・職務経歴書の作成が公務員試験(面接、小論文)に役立った。
・適正診断ができて履歴書や面接試験のネタになった。
・公務員/民間転職の並行した転職活動を効率良く進めることができた。
・掲載されている募集情報に行政職が少ないこと、民間の求人通知メールが大量に来ることがデメリット。
転職に向けて動き出す第一歩として、まずは転職サイトを覗いて見てはいかがでしょうか。公務員の行きたい先が決まっている場合は、自治体のウェブサイトから募集情報を確認しつつ、試験対策に取り組みましょう。