・社会人から公務員を目指したい。
・実際に社会人で公務員試験に合格した人の勉強方法を知りたい。
こんな方の参考になる情報を紹介します。
社会人から公務員を目指す人の最大の悩みは「試験勉強をどうするか」ではないでしょうか。
公務員試験は筆記、論文、面接と勉強すべきことが非常に広範囲なんですよね。
また社会人として仕事をしながらの試験勉強となるので、時間も限られかなりの苦戦が予想されます。
それでも毎年多くの社会人が公務員試験に合格しており決して無謀な挑戦ではありません。
では実際に社会人から公務員になった人はどのように試験勉強に取り組んだのか。
この記事で詳しく紹介します。
地方公務員の妻。下記経歴の夫の実体験をもとに記事を書いています。
◇30代で民間から公務員に転職(東証一部上場企業→市役所)
◇理系出身・民間技術者→市役所行政職
◇民間では残業月60時間、独学4か月で公務員試験一発合格
社会人から公務員になるための試験勉強7ステップ
公務員試験を受けると決めてから合格を勝ち取るまで、実際に夫が取り組んだ7ステップを紹介します。
①受ける自治体の試験情報を調べる
まずは試験の全体像を把握するため、受ける自治体の試験情報を調べました。
試験科目、配点、日程など、自治体のウェブサイトの試験案内に載っている情報です。
例えば夫が受けた市役所の試験情報は下記のとおり。
<社会人枠・行政職>
試験科目 | 配点の高さ | 日程 |
---|---|---|
筆記(一次) | 低 | 一次試験日 |
論文(二次) | 中 | |
面接(二次) | 中 | 一次試験日から1か月後 |
プレゼン(三次) | 高 | 二次試験日から1か月後 |
②試験勉強の計画を立てる
試験情報をもとに試験勉強の計画を立てました。
「配点の低い筆記の優先度を下げる」、「試験日間は1か月と猶予があるため目の前の科目に注力する」という作戦にしています。
※矢印が試験勉強で太さは注力度合いを表しています
筆記の優先度は下げていますが、ここで落ちたら元も子もないので手を抜くわけではないです。
③過去問を確認する
自治体の試験案内のページから過去問を確認しました。(たいていの自治体は載せているはず)
自治体によっては数年分を載せており論文試験やプレゼン試験の傾向をつかむのに大変参考になります。
なぜなら過去問で特定のテーマの出題が多ければそれに絞った対策ができるからです。
そのうえで傾向が変わることも想定して、旬な時事問題など一般的なネタ対策は時間が許す限り対策するイメージです。
④筆記試験問題集を購入する
筆記試験の対策用には問題集を一冊購入しました。
筆記試験は文章理解、数的処理、社会、時事など出題分野が幅広く、継続的な勉強が必要となります。
問題を繰り返し解く勉強スタイルを想定すると、ネットを使うよりも問題集の方が勉強しやすいという判断です。
出題分野を一通り網羅している問題集の中から気に入ったものを買えばOKです。
人により使いやすさが違うのでネット通販で買うにしても一度実物を見てから判断しましょう。
ちなみに参考書は買っていません。「読むだけでは覚えられない」、「分野が広すぎて深い知識まで詰め込むのは無理」という判断です。
⑤一次試験日の試験科目を勉強する(一次試験日まで)
公務員試験を受けると決めた後は一次試験日に行われる科目のみの勉強に注力しました。
夫が受けた市役所の場合、一次試験日には一次の筆記試験と二次の論文試験が行われるため、その2科目の試験勉強に取り組んでいます。
筆記試験の勉強
・問題集を繰り返し解く
・解説を読んで気になる点はインターネットで情報収集する
これを1日3時間、1か月取り組みました。筆記試験はとにかく範囲が広いので、繰り返し勉強して知識を詰め込む必要があります。
社会人枠で受験する場合は特に筆記試験の配点は低い傾向にあります。でも勉強なしでの合格することは無理と考えた方がいいでしょう。
論文試験の勉強
過去の出題テーマを中心に下記に取り組みました。
・論文のネタ集め
・論文の作成
・作成した論文の暗記
・暗記した論文を書く練習
各ステップ平気で2〜3時間はかかるので、過去問のように重要なテーマはがっつりと、それ以外の想定テーマは広く浅く勉強しています。
夫が受けた市役所では過去に「社会人経験を行政へどのように活かすか」系の出題が多かったので、それをメインに勉強しました。
⑥二次試験日の試験科目を勉強する(一次試験後から二次試験日まで)
二次試験の面接対策は一次試験が終わった直後(合否発表前)から始めています。
また、二次試験前に履歴書の提出を求められており、その作成にも時間を使っています。
面接の試験勉強で取り組んだ内容は下記のとおり。
・よく聞かれる質問をネットで調査
・回答作り
・回答に対する質問対策
・受ける市役所や時事問題の勉強
質問回答作りも範囲を広げるとキリがないので、自己PRにつながる質問を重めに、時事問題の質問は軽めに行いました。
一次試験日から二次試験日までは1か月ほど時間があり、それなりに余裕をもって勉強ができています。
⑦三次試験日の試験科目を勉強する(二次試験後から三次試験日まで)
三次試験の勉強も二次試験が終わった直後から始めました。
科目はプレゼンテーション。プレゼンテーマは二次試験の合否発表までわからなかったので、下記の流れで進めました。
二次試験後〜テーマ発表前
・過去問をもとにネタづくり
・自己PRネタの情報整理
テーマ発表後
・テーマに沿うようにネタの合わせ込み
・資料作成、プレゼン練習
こちらも二次試験から1か月ほどの猶予がありますが、プレゼンの構成を考えたり練習するのに時間がかかり二次の時ほどの余裕はありませんでした。
でもこれが最後の試験ということで全力を振り絞りました。
これから試験勉強を始める方へのおすすめ行動
試験勉強を終えて、また、実際に公務員として働いて得られた教訓から、これから試験勉強を始める方へのおすすめ行動を紹介します。
一番初めに自分の経歴・PRネタを整理しよう
試験勉強を始める前に自分の経歴・PRネタを整理(=職務経歴書を作成)しましょう。
公務員を目指した時点、さらに言うとぼんやりでも転職を考え出した時点でやった方がいいです。
なぜなら経歴、PRネタを整理することで「これまでの社会人歴で自分が何をしてきたか、何を身につけてきたか」振り返ることができるからです。
その結果、自分が本当に公務員になりたいのか、それとも民間で働き続けたいのか、冷静に判断ができます。
振り返りをした結果、公務員に転職するのはもったいないと思って民間転職を考えるかもしれません。
それに気づくのは早ければ早い方がよく、公務員試験の途中で気づけばそれまでの行動が無駄になってしまいます。
また、せっかく筆記試験を通過したからといった理由で公務員を優先してしまうと、転職してから後悔することになりかねません。
経歴振り返ったうえで、なお公務員を目指す!というモチベーションで試験に臨んだ方が良いです。
振り返りは時間がかかり面倒ですが、転職を成功させるうえでは必須です。
整理したことは後の論文や面接対策で活かせて無駄にはならないので、試験勉強を始める前に実践することをおすすめします。
公務員についてよく調べよう
公務員という職業についてよく調べましょう。
公務員は楽そう、安定している、転勤がないといった理由も転職には十分な理由と思います。
ただ、具体的な仕事内容やデメリットも理解しておかないと、やはり後悔することになりかねません。
例えば下記の情報を調べましょう。
・国家公務員と地方公務員(県庁、政令市、市町村)の違い
・行政職、技術職、福祉職など職種の違い
・給料の仕組み
公務員のデメリットについては、ざっと挙げるだけでも下記があります。
・大企業よりも給料少ない
・転職者は生え抜き職員よりも不利
・成果主義でないので仕事ができても給料上がらない
・誰でもできる単調な仕事が多い
・3年程度で異動があり仕事が変わる
公務員を目指すのであればこれらのデメリットを受け入れる覚悟も必要です。
本ブログの他の記事で紹介していますので参考にしていただければと思います。
時間がなければ完璧を目指さず妥協しよう
仕事が忙しく試験勉強に多くの時間を避けない場合は、完璧を目指さず妥協することも必要です。
なぜなら出題科目が多く完璧に対策するには時間がいくらあっても足りないからです。
限られた勉強時間で優先順位をつけて対策をするのが現実的なところです。
夫の場合、論文・面接・プレゼン対策においては、アピールができる社会人経験のPRに関しては納得いくまで仕上げました。
一方で、アピール力が小さいであろう時事問題に関する対策はあまりしませんでした。
また、筆記対策においては、各分野の深追いはせず過去問集一冊で広く浅い勉強としました。
でも結果的にこのやり方でも合格することができました。自分の持ち時間によっては妥協して勉強することも視野に入れましょう。
まとめ
社会人から公務員になるための試験勉強の取り組みについて紹介しました。
以下にまとめます。
・受ける自治体の試験情報を調べ、試験勉強の計画を立てる。
・過去問を確認し問題の傾向を調べる。
・筆記試験対策用に問題集を購入する。
・目先の試験日の科目の勉強に注力する。
・(試験勉強を始める前に)一番初めに自分の経歴・PRネタを整理する、公務員についてよく調べる。
・時間がなければ完璧を目指さず妥協する
合格者の試験勉強方法の一例として参考にしていただければと思います。