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公務員の中途採用者は給料が少ない理由【年収100万円不利になる例を紹介】

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民間から公務員に転職を考えていて、中途採用者の給与事情について事前に知っておきたい。

こんな方に役立つ情報を紹介します。

公務員の中途採用は自治体によっては20倍を超えるほど人気です。安定、転勤がない、ノルマがないなど、民間にはない魅力的なことがたくさんあります。

一方、給与面では公務員の中途採用者の待遇は悪いです。

年収アップを目指すなら公務員への転職はおすすめしません。

そもそも公務員は大企業と比べると給料が少ないです。そのうえ中途採用者の場合、社会人年数が同じ生え抜き公務員よりも少ない給料になります。

事実、私の夫は大企業から公務員に転職し給料が減りました。そこは想定内でしたが、生え抜き職員よりも少ない金額というのは入庁後に知って気持ち的ダメージを受けました(笑)

結論として、公務員に転職するなら早い方がいいです。民間期間が長いほど不利となります。

公務員への転職を考えている方にはぜひ知っておくべき情報と思いますので、この記事で詳しく紹介します。

公務員の中途採用者の給料は少ない

公務員の中途採用者の給料は少ないです。

人によっては

・民間時代よりも給料が減る
・同じ社会人経験年数の生え抜き公務員と比べても給料が少ない

というダブルパンチを受けることになります。

なぜなら公務員の中途採用者の給料・役職は、民間から民間に転職する時のように前職での給料、役職、実績などが反映されないからです。

公務員の場合、学歴と社会人年数のみが考慮されます。なので例えば前職での経歴が

・大企業、課長、特許50件持っている人
・中小企業、ヒラ、特許なしの人

と明らかに実績の違う人が採用されたとしても、学歴と社会人年数が同じであれば採用後の給料は同じになります。

民間から民間へのキャリアアップ転職ではあり得ない話ですよね。公務員の中途採用者は前職での経歴が評価されないことが、給料が少ない要因になっています。

公務員の中途採用者の待遇は下記のイメージを持っておくと転職してから後悔することが少ないかと思います。

民間→民間民間→公務員
前職の給料給料に反映考慮なし
前職の実績給料に反映考慮なし
前職の役職役職に反映考慮なし
前職の会社規模評価される考慮なし

生え抜き公務員より給料が少ない理由

公務員の中途採用者は、同じ年齢、学歴、社会人経験年数の生え抜きの公務員よりも給料が少ないです。

その理由は、民間での経験年数は公務員としては少なく換算され、出世も遅れをとるからです。

民間での経験年数は8割掛け以下で換算

民間での社会人経験年数は、公務員としては8割掛け以下の年数として換算されます。

公務員は年功序列で経験年数がもろに給料に影響するので、経験年数が少ない=給料が少ないことを意味します。

例えば、民間10年で公務員に転職した場合は公務員としては8年の扱い、つまりは2年下の職員と同じ給料となります。

給料差がどのくらいかというと、1年の昇給額が5千円すると2年で1万円の差。

この金額だけ見るとそれほど大きな差とはいえませんが、即戦力として期待して採用されながら給料が少ないのは残念ですよね。

経験年数が長かったり、生え抜き職員が昇格しているとその差はもっと広がります。

社会人経験年数の換算率は自治体ルールや前職の仕事内容によりますが、前職が公務員でない限り10割換算されることはほぼないです。民間であれば8割換算と考えてよいかと思います。

出世が遅い

中途採用者は生え抜き公務員よりも出世が遅いです。

理由は下記のとおり。

・入庁後はヒラからスタート
・昇格の条件は新卒と同じ

入庁後はヒラからスタート

公務員の中途採用者は入庁後ヒラからのスタートになります。

民間転職と違って前職での役職が考慮されないため、たとえ前職で40代課長でもヒラからのスタート。

これは生え抜き職員に対してのかなりのビハインドです。なぜなら昇格するには公務員として一定年数勤務することも条件にあるからです。

例えば夫の市役所では係長昇任試験を受けるのに5年勤務が条件になります。

結果、昇格済みの生え抜き職員を出世で追い抜くのはかなり厳しくなります。

昇格の条件は新卒と同じ

公務員は中途採用者でも昇格の条件は新卒と同じです。中途採用だからといって優遇されることはありません。

自治体にもよるかもしれませんが、夫の市役所では中途採用者は新卒者と同じ扱いです。

ヒラからのスタートかつ昇格にかかる年数が新卒と同じなら、当然ながら生え抜き職員よりも出世は遅くなります。

比較すると下記のようなイメージです。

・生え抜き職員
22歳で入庁 → (ヒラで5年勤務) → 27歳で係長試験合格 → 28歳で係長

・中途採用者(民間経験10年)
(民間で10年勤務) → 32歳で入庁 → (ヒラで5年勤務) → 37歳で係長試験合格 → 38歳で係長

夫も転職して初めて年下の上司がいるようになり、出世で追い抜くのは難しいと考えているようです。

中途採用者と生え抜き公務員の年収差100万円の例

「中途採用者」と「ストレート出世している生え抜き公務員」の年収差はいくらかというと、自治体によって給料表や昇格条件等が変わるため一概には言えません。

でも場合によっては年収で100万円の差がつくこともあり得ます。そのシミュレーション例を紹介します。

前提条件

・ヒラ:1~3級、係長:4級
・入庁時は1級、給料18万円
・2年目に2級に昇格、給料20万円
・6年目に係長試験合格
・7年目に3級に昇格
・8年目に4級に昇格(係長)
・昇給は一律5千円アップ(同じ級での給料アップ)
・昇格は一律2万円アップ(級が上がる時の給料アップ)
・民間での経験年数は公務員で8割換算

生え抜き公務員

年齢公務員年数給料メモ
23歳1年目1級180,000円
24歳2年目2級200,000円通常昇格
25歳3年目2級205,000円
26歳4年目2級210,000円
27歳5年目2級215,000円
28歳6年目2級220,000円係長試験合格
29歳7年目3級240,000円試験合格による昇格
30歳8年目4級260,000円試験合格による昇格(係長)
31歳9年目4級265,000円
32歳10年目4級270,000円
33歳11年目4級275,000円

中途採用者

年齢公務員年数給料メモ
23〜32歳民間で10年
33歳1年目1級220,000円18万円+(昇給5千円×民間10年)×公務員換算0.8

33歳で比較すると、同じ年齢、社会人年数ながら給料に5万5千円の差がつきました。

続いて下記の前提条件で給与、年収を計算してみます。

・勤務地手当は給料×10%
・ボーナスは年間で4.5か月
・扶養手当や残業手当は考慮しない

生え抜き公務員中途採用者メモ
給料275,000円220,000円
給与(月給)302,500円242,000円給料+勤務地手当
ボーナス1,361,250円1,089,000円給与×4.5か月
年収4,991,250円3,993,000円給与×12か月+ボーナス
年収にすると約100万円の差がつきました。

同じ年齢、社会人年数にも関わらずです。ヒラと係長の差といえばそれまでですが、早く昇格したいと思っても中途が新卒よりも優遇されない点もつらいところです。

入庁時点でここまで差がついていると、その後公務員として働き続けても追い抜くのはかなり難しいと考えられます。

まとめ

公務員の中途採用者は給料が少ない理由について紹介しました。以下にまとめます。

まとめ

・公務員の中途採用者の給料は少ない。前職での給料、役職、実績などが反映されないため。

・「民間での経験年数は8割掛け以下で換算」、「出世が遅い」ため、生え抜き公務員よりも給料が少ない。

・中途採用者と生え抜き公務員の年収100万円の差がつくこともありうる。

公務員への転職を目指す際、中途採用者の給料は不利ということを受け入れて検討するようにしましょう。

そのうえで転職を決心したら、早めに転職することをおすすめします

民間期間が長いほど不利になります。