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中途採用で公務員になるには?受験から採用後の実態まで実体験を紹介

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・中途採用で公務員になるにはどうしたらいいの?
・公務員になれるのは何歳まで?
・民間みたいに中途採用は年中してるの?

中途採用で公務員になりたい!と考えた時、こんな疑問が出てきませんか?

また、採用後は「仕事はすぐに慣れるのか」、「社会人経験者として何が求められるのか」も気になりますよね。

この記事ではこれらの疑問を解決する情報を紹介します。中途採用で公務員になるための参考にしていただければと思います。

この記事を書いた人

地方公務員の妻。下記経歴の夫の実体験をもとに記事を書いています。

◇30代で民間から公務員に転職(東証一部上場企業→市役所)
◇理系出身・民間技術者→市役所行政職
◇民間では残業月60時間、独学4か月で公務員試験一発合格

中途採用で公務員になるには?

公務員になるには新卒、中途に関わらず公務員試験に合格しなければなりません

民間転職のように何回か面接を経て合格できるものではなく、筆記試験と論文試験も課されます。

ここが公務員になるための最大のハードルで、中途採用を狙うにしても時間を掛けて入念に試験勉強をする必要があります。

公務員試験には年齢や資格など条件が異なる様々な試験枠があって、社会人向けには中途採用試験があります。

地方自治体の5割が中途採用試験を実施している

総務省の調査によると、令和2年度には地方自治体の5割が中途採用試験を実施しています

実施自治体906/全自治体1,789 = 約5割

都道府県(県庁)と指定都市においては実施率100%となっています。

出典:総務省ウェブサイト「地方公務員における働き方改革に係る状況―令和2年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要―」から抜粋

令和2年度は元年度と比べて実施自治体が100も増えています。

この中途採用試験は主に30歳以上が対象で、上は58歳まで受けれる自治体もあります。(公務員は60歳定年なので、受験時58歳=採用時59歳でもぎりぎりOKという年齢です)

よって中途採用試験にさえ合格すれば、定年前であれば何歳でも公務員になれます。

中途採用試験と一般採用試験の違い

同じ公務員試験でも中途採用試験と一般採用試験とでは、受験条件と試験内容が変わります

違いをまとめると以下のとおりです。

項目一般採用試験
(大卒程度)
中途採用試験
年齢制限21〜30歳くらい30歳くらい〜58歳
社会人経験不要直近○年で◇年以上
(例)直近10年で5年以上
試験科目筆記、論文、面接筆記、論文、面接
プレゼンテーション面接を行う自治体もあり
配点筆記、論文 < 面接筆記 ≪ 論文、面接
採用人数多い少ない
倍率低め高め

※詳細は自治体により変わります

社会人経験者が必ずしも中途採用試験という仕切りにはなっていません。

年齢と社会人経験年数によって、条件の合うどちらかの採用枠で受けることになります。

自治体によっては条件さえ合えば、どちらの採用枠でも受験できることもあります。

中途採用試験は働きながらでも受験しやすい

働く社会人にとっては一般採用試験よりも中途採用試験の方が受験しやすいくなっています。

というのも中途採用試験の方が、試験全体から見た筆記試験の配点が低いからです。

例えば令和4年度の埼玉県庁の場合、下記のとおり中途採用試験の方が筆記の配点が低いです。

・一般採用試験では筆記200点、論文100点、面接300点。全体に対して筆記の配点割合は33%
・中途採用試験では筆記50点、論文250点、面接500点。全体に対して筆記の配点割合は6%

自治体により差はあるものの、たいていは中途採用試験の方が筆記試験の配点が低くなっています。

筆記試験は政治経済、数的処理、古文など出題が広範囲にわたり、勉強に必要な時間は少なくとも800時間とも言われています。

半年で換算しても1日4〜5時間と社会人で仕事しながらではかなり厳しいですよね。

その点、中途採用試験であれば筆記の配点が低いので、優先度を下げる(=ボーダー超える程度に少ない勉強時間で臨む)作戦ができます。

もちろんその分、論文試験と面接試験対策に注力しなければなりません。でも自分をどうPRできるかで時間勝負ではない分、社会人にとってはやりやすいかと思います。

公務員試験は年に1度だけ、採用は4月1日

公務員試験は年に1度だけです。(神戸市のように春と秋で2回募集する自治体もありますが基本は年1度です)

よって不合格だった場合は次のチャンスはまた来年になります。

また、公務員に採用される日は中途の場合でも4月1日です。

これらの点も民間転職と違うところで、公務員ならではの特徴です。

民間では随時募集があって年中いつでも中途採用者が入ってきますが、公務員ではそんなことはありません。

公務員は毎年4月1日に異動があり、既存の職員に加え新規・中途採用者も含めて組織編成をしています。そのため中途採用も4月1日となっています。

中途採用試験を受けてから採用されるまでの流れ

夫が公務員の中途採用試験を受けてから採用されるまでの流れを参考に紹介します。

時期やったこと
7月応募
8~11月試験勉強→試験→合格(三次まであり)
12月合格者面談
1~2月民間:退職手続き、引き継ぎ
公務員:必要書類の提出(就労証明書、学歴証明書など)
3月有給消化、一応は採用予定者のしおりを読む
4月1日採用
働いている民間、受験する自治体によって状況は変わりますので一例としてご参考にしてください。

採用が4月1日と決まっているので、民間での退職手続きや引き継ぎが進めがやすいところがポイントです。

余裕をもって計画的に進めることができて、3月はまるまる有給にして家族旅行などを楽しめました。

民間転職の場合は、採用されても来月からすぐ来てとなったりして、なかなかこうはいかないかと思います。

公務員試験の最終合格者は、採用候補者名簿に登載され、採用予定日に採用される資格を取得することを意味します。

合格して名簿に載った=採用というわけではありません。なので夫も実際に4月1日に採用の辞令をもらうまでは不安といえば不安でした。

といっても基本は最終合格者は本人が辞退する場合等を除いて全員採用されているようです。

中途採用で公務員になった後の職場での実態

公務員への転職は、これまでと違う業界・職種でのゼロからのチャレンジとなります。
※技術・専門職での転職を除く

一方で中途採用となれば即戦力として期待されるため、すぐに仕事をこなせるか不安に感じるかもしれません。

でも大丈夫です。行政初心者でも中途ハンデを感じることなく公務員の仕事をこなすことができます。

公務員の仕事はすぐに慣れる

公務員の仕事はすぐに慣れます。役所事務のノウハウを知らない新規職員でも2か月もあれば十分という感触です。

理由は公務員の仕事の特徴にあり、一つは「誰でもできる仕事内容、ルーチンワークが多い」こと。

公務員は3年程度で異動があるため、担当業務がころころ変わります。そのため、専門知識や経験がなくても対応できる内容になっています。

例えば市民窓口であれば、申請受付から書類発行までの流れがマニュアル化されており、それを覚えて対応できればOKです。

もう一つは「前例踏襲で対応可能」であることです。

公務員は毎年の仕事スケジュールがほぼ同じで、どの時期にどんな仕事があるか決まっています。例えば5月はイベント、6月は決算報告といった感じです。

基本は前年度のやり方に沿って進めるだけで、業務改善も求められません。

自分で調べてもわからければ周りに聞きながら、前例踏襲が効かなければ都度考えながらで十分にやっていけます。

ちなみに公務員は異動で部署内で1/3の人間が入れ替わることも。

なので年度始めは多くの生え抜き職員も同じように見様見真似でやっています。周りがそんな感じなので、中途採用者も仕事を覚えるにはやりやすい環境です。

中途採用者に求められるのは社会人の基本スキル

中途採用者に求められるのは社会人としての基本スキルです。

時間を守って普通に仕事ができれば問題ありません。政治学や行政学のような役所っぽい知識はなくても大丈夫です。

基本スキルは具体的に挙げると下記のとおり。

・業務遂行力
任せられた仕事を最後までやり遂げる。

・コミュニケーション力
人と意思疎通がスムーズにできる。

・コスト意識
最小限の支出で仕事を進める。

・情報収集力
わからないことは自分で調べる。

・ビジネスマナー
身だしなみ、言葉遣いなど相手を不快にさせない。

・パソコン操作
ワードとエクセルが使いこなせる。

これらは社会人として数年働いていれば自然と身につくスキルかと思います。

また、夫が公務員として実際に働いてみて、下記のスキルはある方が良いと感じました。身につけるのは公務員になってからでも問題ありません。

・読解力と文章力
→公文書や広報など文書を扱う機会が多いため。

・電話対応力
→部署によっては市民、企業の電話対応が多いため。問い合わせをたらい回しにしない、クレームは聞き役に専念するなど公務員ならではの対応が必要なときもある。

・柔軟性
→異動して新しい仕事にもすぐに順応する必要があるため。

公務員になるなら早い方がいい

中途採用で公務員になるなら早い方がいいです

中途採用でも仕事面の心配はない一方で、給与や昇格は生え抜き職員よりも不利だからです。

まず給与について、民間企業での経験年数は公務員としては8割以下に換算されます。

公務員は年功序列で給与が上がるため、経験年数が少ないと不利になります。

例えば民間で10年働いても8割換算なら公務員では8年扱いとなり、社会人歴が2年下の職員と同じ給与になります。

また昇格について、公務員は中途採用でも前職の役職や経験年数は考慮されず担当からのスタートです。

係長に昇格するには公務員として数年働く&昇格試験に受かる必要があり、この条件は新規も中途も同じ。

そのため公務員になるのが遅いほど昇格できる年齢も遅くなり、例えば40代で採用の場合、定年までに課長へ昇格することは厳しくなります。

以上から民間の年数が長いほど給与と昇格が不利になります。

公務員試験も一発で受かるとは限らず、落ちたら次のチャンスは翌年になります。

そういった面でも、本気で公務員を目指すのであれば早く行動することをおすめします。

まとめ

中途採用で公務員になる方法と職場での実態について紹介しました。

まとめ

・中途採用で公務員になるには試験に合格する必要がある。

・地方自治体の5割が中途採用試験を実施している。

・中途採用試験は働きながらでも受験しやすい。

・公務員試験は年に1度だけ、採用は4月1日。

・公務員の仕事はすぐに慣れる。

・中途採用者に求められるのは社会人の基本スキル。

・公務員になるなら早い方がいい。

中途採用で公務員を目指す方の参考になれば幸いです。