・公務員は休みは多いのだろうか
・どんな休暇制度があるのか
公務員を目指す方にとって、休みは多いのか、休暇制度がどのくらい充実しているのかは気になる情報ですよね。
結論、公務員の休暇制度は大企業と同等、あるいはそれ以上に充実しています。
一部を紹介すると
・土日祝日休み
・年休20日+夏休み5日程度
・結婚休暇、出産休暇は給与満額支給
・子の看護休暇、男性の育児参加休暇あり
といった感じです。
また、民間から地方公務員に転職した夫の場合、大企業の中でもプライム企業でしたが、公務員の方がより充実しています。
休暇制度次第で仕事へのモチベーションも変わってきますよね。その点、公務員の休暇制度の充実度は大いに安心していいでしょう。
具体的にどの点がすごいのか、公務員の休暇について詳しく紹介していきます。
※この記事では公務員の例として国家公務員の休暇情報をもとに紹介します。
地方公務員の妻。下記経歴の夫の実体験をもとに記事を書いています。
◇30代で民間から公務員に転職(東証一部上場企業→市役所)
◇理系出身・民間技術者→市役所行政職
◇民間では残業月60時間、独学4か月で公務員試験一発合格
基本的な勤務条件
公務員の基本的な勤務条件は下記のとおり。
・休み
土曜日、日曜日及び祝日等の休日
・勤務時間
1日7時間45分(週38時間45分)
開始・終了時間は勤務先の規定に従い、例えば、8時30分〜17時15分(昼休み1時間)です。
・年次休暇
1年で20日間
使いきれなかった分は20日まで繰越可能です。なので1年で最大40日間消化することができます。
・年末年始の休日
年末年始は12月29日〜1月3日
前後に土日がつけばその分延びますが、基本は6日間です。
出典:人事院ホームページ「勤務時間制度の概要」、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例より
ちなみにゴールデンウィークとお盆は特別な休みはなく、土日祝日のみが休みです。
でも、お盆休みの代わりには好きな時期に使える夏季休暇があります。
特別休暇のメニューが豊富
公務員の休暇制度でさらに凄いところが何と言っても特別休暇のメニューの豊富さ。
大企業でもこれほどの好条件はなかなかないかと思います。
国家公務員の特別休暇は下記のとおり。
特別休暇 | 条件 | 日数 |
---|---|---|
公民権行使 | 選挙権等の公民権の行使 | 必要と認められる期間 |
官公署出頭 | 裁判員等として官公署へ出頭 | 必要と認められる期間 |
骨髄等ドナー | 骨髄又は末梢血幹細胞の提供者となる | 必要と認められる期間 |
ボランティア | ボランティア活動に参加 | 1年で5日以内 |
結婚 | 職員が結婚 | 指定期間で連続する5日以内 |
不妊治療 | 不妊治療を受けるために医療機関へ通院する等 | 1年で5日以内 |
産前/産後 | 産前/産後 | 産前6週間/産後8週間 |
保育時間 | 生後1年に達しない子を保育 | 1日2回それぞれ30分以内 |
妻の出産 | 妻が出産 | 指定期間で2日以内 |
男性の育児参加 | 育児参加 | 指定期間で5日以内 |
子の看護 | 子の看護 | 1年で5日以内(子が2人以上の場合10日以内) |
短期介護 | 短期の介護その他の世話 | 1年で5日以内(要介護者が2人以上の場合10日以内) |
忌引 | 親族が死亡 | 親族に応じて連続する日数 |
父母の追悼 | 父母を追悼 | 1日以内 |
夏季休暇 | 夏季における心身の健康の維持・増進等 | 指定期間で3日以内 |
現住居の滅失等 | 現住居の滅失・損壊等 | 連続する7日以内 |
出勤困難 | 災害・交通機関の事故等により出勤が困難 | 必要と認められる期間 |
退勤途上 | 退勤途上の危険を回避 | 必要と認められる期間 |
出典:人事院ホームページ「休暇制度の概要」より
地方公務員の休暇制度も国家公務員と基本は同じです。
ただ、取得条件や休暇日数は自治体によって変わり、また、上の表にない自治体オリジナルの休暇があったりもします。
例えば夫の市役所の場合は、
・夏季休暇5日(国家公務員は3日)
・産前休暇は8週間(国家公務員は8週間)
・健康診断休暇あり
といった感じです。
そして公務員の休暇制度で、何と言ってもありがたいのは特別休暇も給与が満額支給されること。(一部の特別休暇を除く)
民間では特別休暇があっても給与が満額もらえないことがありますよね。
例えば夫の場合、民間時代は結婚休暇や妻の出産は7割支給の特別休暇でした。
そのため、特別休暇は利用せずにあえて満額支給の年次休暇を消化していました。
それが公務員に転職後に私が二人目を出産した際は、満額支給の特別休暇を使うことができました。
この経験からも公務員の休暇制度はかなり恵まれているといえます。
休暇によっては分割して取得できる
年次休暇と一部の特別休暇は分割して取得できます。
例えば仕事帰りに通院するため2時間だけ休みたい!という時は、2時間休にして残りの時間は別の日に使うことができます。
この制度は民間でもあるかと思いますが、休暇を分割できるのは何かと便利です。
分割できる最小単位は1時間で(自治体によるかもしれません)、例えば1週間毎日1時間休で早く帰る使い方もできます。
上の子を保育園に送迎するのを手伝ってもらうのにとてもありがたかったです。
こういった融通の効く休暇制度も公務員ならではかと思います。
その他の休暇制度について
その他、公務員の休暇制度の豆知識を紹介します。
病気休暇は90日までなら満額支給
病気により仕事がすることができない場合は連続90日以内で病気休暇が取得できます。
出典:人事院規則一五―一四(職員の勤務時間、休日及び休暇)第二十一条(病気休暇)
給与も90日までなら満額支給です。そのため、事故や疾病で働けなくなっても安心して休暇を取得することができます。
ただ、病気休暇を使うには、医師による診断書の提出が必要となります。
90日を超えると給与が満額ではなくなる・無給になる、昇給に影響が出るなどありますが、90日を超えても休暇は取得できます。
自治体オリジナルの休暇がある
先ほど紹介した国家公務員の特別休暇以外にも、自治体オリジナルの休暇があります。
例えば夫の市役所では下記の休暇があります。
・健康診断/人間ドック休暇
→診断を受ける期間(基本は半日)に取得できる
・コロナワクチン副反応休暇
→コロナワクチン摂取により副反応で出勤できない場合に取得できる
会社内で受ける健康診断はともかく、人間ドックを普通の年次休暇使わずに特別休暇があるのはありがたいですよね。
満額支給ではなくてもありがたい休暇がある
給与は満額支給ではなくてもありがたい休暇があります。
例えば育児関係で下記の休暇です。
育児短時間勤務
短い勤務時間(4時間55分×5日等数パターン)での勤務(子が未就学まで)
育児時間
勤務時間の始めか終わり(~2時間)の無給休暇(子が未就学まで)
出典:人事院ホームページ「妊娠・出産・育児・介護と仕事の両立支援のページ」主な両立支援制度の概要(全体版)より
公務員は休暇が取得しやすいのか
休暇制度は充実しているといっても使えなければ意味がありません。
実態はどうなのかという点ですが、休暇の取得のしやすさは部署次第といえます。
ただ、国家公務員の平均的な取得状況は下記のとおり。
年次休暇の平均使用日数
→令和3年の平均使用日数は、全体平均で15.5日
一般職の男性職員の育児休業取得率
→令和3年度の取得率は62.8%
出典:人事院ホームページ「年次休暇の使用実態」、「仕事と家庭の両立支援関係制度利用状況調査の結果」より
年次休暇は15.5日、男性の育児休業取得率は62.8%という数字からは、十分取得しやすい環境といえるのではないでしょうか。
まとめ
公務員の休暇制度について紹介しました。以下にまとめます。
・年休20日と夏休み5日の計25日がデフォルト年休
・民間では満額支給されない休暇も満額支給
・特別休暇のメニューが豊富
公務員の休暇制度は民間と比べても大企業以上に充実しているといえます。